年の瀬はクリスマスを始めおせち料理、お雑煮など料理を作る機会も多いものですね。心を込めて作った料理は、見た目も美しくしたいものです。でも意外と忘れがちなのが素材にあった盛り付け方。
今更ですが美味しく見える料理の盛り付け方をおさらいしてみましょう。
盛り付けのルールさえわかれば、おせち料理を詰めるときにも応用可能です。美味しく美しく見栄えよく、目でも楽しむ料理の盛り付けをしていきましょう。
1番大切なのは赤、黄、緑など食欲をそそる「彩り」
人間が食欲を刺激されるのは食べ物の匂いもありますが、見た目もとても大事だと言われています。
料理が目の前に出て来たときに「美味しそう!」と言葉が出るのは、目で見た瞬間に頭の中で過去に美味しかった食べ物の記憶が蘇り、その美味しさを目の前の食事でまた味わうことを期待して出る言葉なのです。
日本食は彩りにとても気を使い、懐石料理などでは四季の食材を使って見た目で楽しむこともとても大切にしています。
家庭で作る食事であっても彩りに気を使い、食材の色を大切にして盛り付けると食欲も倍増しますね。
立体感を出すのは盛り付けの「高さ」
彩りに気をつけたら、次は食材を盛り付けるのに高さを出しましょう。特に小鉢などに盛り付ける場合は、平らに盛ってしまっては立体感も出ず美味しそうには見えません。
高低差をつけて盛り付ける事で食材ひとつひとつが際立ち、美味しそうに見えるから不思議です。
皿の中央に料理を乗せて、こんもりと山のような形を作るように盛り付けると立体感がよく出ます。
土台をしっかりとさせて上に行くほど細い山型が作れるようにするのがポイントです。
皿の空間も大事にする「バランス」
皿いっぱいに盛り付けてしまうと、食事の量が多く見え、少食な人はそれだけで満腹感を感じてしまいます。目で見る皿の中のバランスは、美しい盛り付けには欠かせないものです。
フランス料理などで大皿の真ん中に料理がほんの少しという見せ方も、皿とのバランスを取り、余白を広く見せることで食欲を増進させる効果も考えられているのではないでしょうか。
盛り付ける時は箸とスプーンでふんわりと
料理を盛り付けるときに使うのは箸だけですか?スプーンだけでしょうか?実は箸とスプーンを一緒に使って盛り付けるととても簡単にふんわりと皿に盛ることができます。
例えばポテトサラダの場合、スプーンでサラダをすくって皿にのせます。そのあと山型になるように箸で微調整していくとこんもりと見栄えがよくなります。
スプーンだけだとのっぺりとした盛り付けになる時も、箸を使って空気を入れるように立体感を出していくことで、食べ物がいきいきと美味しそうにみえるようになるのです。
おせち料理の盛り付けはここに気をつければ見栄えがUP!
おせち料理の基本をもう一度おさらい
◆一の重
祝い肴(屠蘇を飲みながら食べられる肴)と呼ばれ、前菜風のものが入れられています。見た目も華やかで重箱を開けた瞬間の歓声が目に浮かびます。
(栗きんとん、黒豆、昆布巻き、田作り、紅白なます、かまぼこなど)
詰め方のポイント
一の重は細々とした料理が多いので、中央に小鉢を置き、対角線上に伊達巻きやかまぼこなど崩れにくいものを並べていきましょう。
9つの四角があると考え、それぞれをバランスよく並べていきます。
◆二の重
海老を始め肉や魚といったメインディッシュに相当するものが詰められているのが二の重です。基本は焼き物と酢の物が中心です。
(海老のうま煮、ブリの照り焼き、さわらの西京焼き、八幡巻きなど、熨斗鶏「のしどり」など)
詰め方のポイント
二の重は斜めに盛り付けることが伝統的な盛り付け方と言われています。重箱に裏白や南天など飾りとなる緑の葉物を敷き、斜めに平行になるように詰めていきます。
◆三の重
一番下の段には煮物を詰めます。日持ちもするし、各家庭ごとの味付けがあり、お節には欠かせない料理のひとつです。
長寿を願うごぼう、穴が空いていて見通しの良いれんこん、まっすぐ育つたけのこなど縁起の良い食材を使います。
煮物はどうしてもまとめて盛り付けたくなりますが、伝統的な詰め方は同じ料理を横一列に並べて盛るのが見た目も美しく綺麗だと言われています。
里芋やしいたけなどの重心の安定したものを横一列に盛り付け、その後蒟蒻やごぼう、たけのこなどを入れていきましょう。彩りになる人参は、一番上に盛り付けると華やかさが出ます。
一年に一度のことなので、時には伝統的な盛り付けに挑戦してみるのも楽しそうですね。
おせち作りで料理の基本を再確認しましょう
大晦日の夜から時間をかけておせち料理を作っていくのは、一年を締めくくる大切な行事です。しかし忙しい現代では一から手作りするのは時間も手間もかかります。
そのため買ってきたものを重箱に詰めるという方も多いのではないでしょうか。
ふんわりと山高に、そしてバランスよく彩りを考えながら盛り付けていくことで料理は更に美味しく見え、食欲を増進させてくれます。
ちょっとした心遣いで見た目も美しく食べてくれる人も喜ぶ料理の知恵、これからも大切にしていきたいものですね。
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