ある日のこと。スマホにこんなメールが届きました。私の住む福岡市から届く気象情報に関してのメールです。
光化学オキシダント注意報
本日5月23日13時10分、福岡市東部、福岡市中部に光化学オキシダント注意報が福岡県より発令されました。
行動の目安
1. 屋外での激しい運動は避け、できるだけ屋内で過ごしましょう。
2. 不要・不急の自動車の使用はできるだけ控えましょう。
3. 目やのどに刺激を感じたら洗顔やうがいをし、屋内で安静にしてください。症状が改善しない場合は、医師の診察を受けてください。出典:防災メール福岡市
光化学オキシダント?それは一体なんでしょう?そう思って調べてみたら、光化学スモッグになる前の物質の名前だということがわかりました。これから気をつけるためにも、光化学オキシダントについて知っておきたいことをまとめてみました。
光化学オキシダントはなぜ発生するの?
工場の煙や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や揮発性有機化合物といった物質と、強く降り注ぐ紫外線により化学反応を起こし「光化学オキシダント」という有害な物質を生成します。この光化学オキシダントの濃度が高くなり、空が白っぽくもやがかかったような状態が「光化学スモッグ」と呼ばれています。
現在、九州をはじめ西日本の広い範囲で光化学オキシダント注意報が発令され、その発令地域は徐々に増加しています。日本では大気汚染物質の原因となるものは、規制により年々減少しているにもかかわらず、こうした注意報が出る背景には、経済成長がめざましいアジア地域からの汚染物質の可能性があると考えられているそうです。
今回メールで届いたのは「光化学オキシダント注意報」だったのですが、この濃度が濃くなり視界が悪くなると「光化学スモッグ」警報もいずれ発令されるのかもしれません。
「光化学スモッグ」の「スモッグ」という単語は、スモッグ(smog)と表記されますが、煙(smoke)と霧(fog)を合わせたイギリスで作られた合成語だそうです。スモッグは大気汚染により視程が低下している状態を表す時に使われています。
光化学オキシダントは「暑くて風の弱い日」に発生しやすい
思い起こせば私がまだ学生の頃、学校で部活動をしていると突然校内放送で「光化学スモッグ警報が発令されました。生徒の皆さんはすみやかに建物の中へ入ってください」という連絡がよくあったものです。当時私は京浜工業地帯にほど近い関東地方に住んでいました。確かに息が苦しくなったり、目が痛くなったのを覚えています。
光化学オキシダントには発生条件があります
・4月から9月にかけての時期
・気温が高く日差しが強い
・風が弱い
・もやがかかり、視界が悪い
これらの条件と紫外線が重なると化学反応が起こり、光化学オキシダントが発生しやすくなるので注意が必要です。
光化学オキシダントは目や呼吸器系に注意
光化学オキシダントは目に見えない物質ですが、私たちの健康に影響を与え、特に目や呼吸器に影響を及ぼします。主な症状としては、軽いものでは「目の痛み、のどがイガイガする、気分の悪さ」などが挙げられますが、重症化すると「呼吸困難、手足のしびれ、めまい、頭痛、発熱、嘔吐、意識障害」などの症状を引き起こす可能性もあります。
アレルギー症状のある人や、高齢の方、気管支ぜん息の既往歴のある方、乳幼児などは、 健康な人よりも影響を受けやすいと言われているので、十分に注意してください。
光化学オキシダントが発生したら気をつけたいこと
現在私の住んでいる福岡県では、ここ1週間の間に何度か「光化学オキシダント注意報」が発令されました。そのため、近くの小学校では運動会の時間を短縮したりして対応していました。もしもお住いの地域で、この注意報が発令されたら以下のことに気をつけてください。
(1) 屋外での激しい運動は避ける
(2) 目がチカチカするなど刺激を感じたらすぐ屋内に入る
(3) 乳幼児、お年寄り、アレルギーなどの持病のある人は特に注意する
(4)目を洗いうがいをする
(5)症状がひど場合はすぐ病院へ
これからの季節注意して行動したいですね
光化学オキシダントに加えて、現在では季節風に乗って春と秋に大陸から飛来する「PM2.5」もニュースで取り上げられるほど話題になっています。PM2.5は微粒子で、光化学オキシダントは気体と両者には違いがありますが、健康被害が心配になるのは同じですね。
気温も湿度も高く、風が無く、日差しが強い日は、屋外で激しい運動をする場合などは、体調に十分に配慮して行いましょう。また、普段の生活の中で、およそ5kmぐらい先の建物や山などが霞んで見える時は、光化学オキシダントやPM2.5の濃度が高い可能性があるので、車の運転など視界が悪いなと感じたら注意が必要です。
夏から秋にかけてのこれからの季節は、光化学オキシダントが発生しやすい季節になっており、心配な人はお住いの自治体から発表される気象情報メールなどに登録したり、ホームページをチェックしておくと良いでしょう。
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