女性の体の転換期、ちょうど更年期を迎える40代から50代の頃は、気持ちや体の変化が始まっている頃です。
その原因は女性ホルモンの減少のため。卵巣の働きがが衰えることにより、それまで分泌されていた女性ホルモンが減り始めることによって、ホルモンのバランスが崩れ、自律神経などに影響を及ぼすためと言われています。
不調に苦しむ人もいれば、忙しくて忘れてしまった、あまり気にならなかったという人もいて、その症状はそれぞれ違っています。更年期を避けることは出来なくても、その不調を和らげたり少しでも先送りするには、薬などに頼らず、普段の生活の中で女性ホルモンをなるべく多く摂取できるような食品を選ぶことが大切ではないでしょうか。
以前は大豆で女性ホルモンアップを期待する記事を書いてみましたが、今回は果物「イチジク」の持つ女性ホルモンの分泌を上げるための効果をご紹介します。
イチジクってどんな果物
6月頃から市場に出まわり始め、美味しくいただける旬の時期は夏の8月から11月頃までです。
イチジクは、クワ科イチジク属の落葉高木樹で、完熟すると濃い赤紫色になります。漢字では「無花果」と書きますが、これは、花が咲かない果物という意味ではありません。
イチジクの花は変わっていて、実の中に隠れて花を咲かせます。イチジクの実の中は袋状になっており、その袋の中に花があるのです。
実際に果実を半分に切ると赤い粒がたくさん詰まっています。この粒の部分が花で、実を食べているようで実は花の部分を食べており、口の中でプチプチとつぶれるような独特の食感を作っているのです。
日本での生産地の代表は愛知県と和歌山県。次いで大阪府や福岡県などですが、輸入品では90%がアメリカ、ついでメキシコとなっています。
女性に嬉しい効果とは
イチジクの中には女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」と同じような構造を持つと言われている「植物性エストロゲン」が種子の部分に大量に含まれています。
エストロゲンは生理の周期を安定させたり、美肌を作り出すなど女性のアンチエイジングの維持に効果を発揮するホルモンです。さらに更年期の症状の予防に効果があると言われています。
イチジクの果肉を食べることで、このエストロゲンに似た働きを期待できるのならば、女性なら食べないわけにはいきませんね。
また眼精疲労回復や、視力改善効果が期待できる「アントシアニン」や抗酸化作用を持つ「ポリフェノール」も豊富に含まれているので、ますます更年期が気になる年代の方は、積極的に摂っておきたい果物のひとつです。
その他の効用も
イチジクは水溶性食物繊維である「ペクチン」を豊富に含んでおり、腸の働きを活発にして便秘に効果を発揮します。また骨や血の成分となるカルシウムや鉄分も多く含まれています。
イチジクには体の中にある余分なナトリウムを排出する働きを持つ「カリウム」も含まれており、血圧を下げる効果があるので高血圧や動脈硬化の予防が期待できます。
そして特筆すべきなのはと、「フィシン」というたんぱく質分解酵素成分が含まれていることです。たんぱく質分解酵素とは、魚や肉をヨーグルトや味噌、塩麹などの発酵食品につけておくとやわらくなりますよね。それは、たんぱく質を酵素が分解して柔らかくしてくれるからなのです。
さらに消化を促進して胃腸の負担を減らすことや、飲酒後の二日酔い防止にも効果があるそうです。食後のデザートや飲酒後には、ちょっとイチジクを食べるのがおすすめですよ!
どうやって食べたら効果的?
◆生で食べる場合
生のイチジクは日持ちしにくく傷みやすい果物です。
買ったらすぐに食べるのが理想ですが、まだ完全に熟していないものを食べると胃痛、腹痛などのトラブルを起こすことがあるので、完熟したものを選びましょう。
ポイントはへたのすぐ下くらいまでしっかりと色づいていること、底の皮の部分が少し裂けているくらいが食べごろです。
またイチジクに含まれる「フィシン」のたんぱく質分解酵素は強力で、肉料理にイチジクを使用することによって肉のたんぱく質を分解し、柔らかくしてくれます。
◆ドライフルーツで食べる場合
ドライフルーツなら干して乾燥したイチジク、ヨーグルトに入ったもの、イチジクのジャム、イチジク入りビスケットなど、種類は豊富ですね。
しかもドライフルーツは生で食べるよりもその栄養価が凝縮され、イチジクの場合は食物繊維が生で食べる時より5倍ほど多くなります。
便秘で悩む方はぜひ一度ドライイチジクを食べてみてはいかがでしょうか。
食べる時に注意したいこと
イチジクの持つ消化酵素成分を十分に発揮するために、食べるタイミングは食後がおすすめです。またドライイチジクはかなり噛み応えがあるので、おやつ代わりに食べると少量でも満足することができ、ダイエットにも効果的と言えるでしょう。
ただし、ドライフルーツは糖質が多くカロリーも高めなので、イチジクの大きさにもよりますが、1日に3~4粒程度にしておくことが大切です。
食物繊維もたくさん含まれているため、整腸作用が強くなり、胃腸を荒らしてしまうこともあるので食べ過ぎないように注意してください。
まとめ
旬の期間以外は店頭で見かける機会も少なく、今まであまり馴染みのなかった果物「イチジク」。
その果物にはこんなにたくさんの効果が含まれていたのですね。夏から秋の旬の季節にはぜひ生でイチジクを味わい、それ以外の季節ではドライイチジクで楽しみましょう。
1年を通してコツコツとイチジクを摂取していけば、女性ホルモンアップも期待できそうですね。
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