私たちの身の回りにある水、大気、土壌、動物、人などの中に存在する病原性の微生物が、人間の体内に侵入することで引き起こす疾患のことを「感染症」と呼びます。普段の生活の中で考えられる感染経路としては、接触(経口)感染、飛沫感染、空気感染が多いと言われています。 人が何かに感染して発症するには、病原体が感染源である人間に侵入しなければなりません。そのため、感染症は感染経路を遮断することができれば、感染するリスクはかなり減らせるというわけです。
Q : なぜ冬はウイルス性の疾病が流行るの?
空気が乾燥し、気温が上がらない冬場は、夏に比べてウイルスの水分が蒸発して軽くなります。そのため低温・低湿度を好むウイルスが、空気中に浮遊しやすくなります。また、乾燥により私たちの天然のフィルターであるのどや鼻の粘膜が乾燥によって傷み、ウイルスが体内に侵入しやすくなるため感染が起きやすくなるのです。 さらに、寒くなって体温が下がると、体の抵抗力が弱まり、夏場に比べて長時間空気中に浮遊しているウイルスは、口や鼻から体内に侵入しやすくなります。特に、抵抗力が弱い子供やお年寄りはウイルスに感染しやすいため、感染症の予防には「乾燥対策」が必須なのです。
Q. 改めて知りたい。マスクの正しい付け方とは?
マスクの生活が長くなり、だんだんと着用時の意識が薄くなりつつありますが、ここでもう一度しっかりしたマスクの付け方をおさらいしてみましょう。
○着ける前には手洗いを忘れない ○着用後はなるべくマスクに触れないようにする ○マスクは顔にぴったりフィットさせ、鼻もしっかり覆うようにする ○マスクを外すときは、表面を触るのではなく、ひもを耳あたりでつまんで外す ○マスクを外した後も忘れずに手を洗う
マスクのサイズがあっておらず、何度もマスクを手で触る人を見かけますが、せっかくウィルスを防いでいるマスクを手で触り、その手で他の場所を触ってしまうとウィルスを広げてしまうことになるので注意が必要です。
Q. どんなマスクがウイルス性感染症には有効?
マスクの効果を最も期待できるのは、咳やくしゃみのある人がマスクをつけた場合です。風邪やインフルエンザ患者は1回の1回のくしゃみで約200万個、咳では約10万個のウイルスを放出すると言われています。そのため、ウィルスに感染した人が、しっかりとマスクを着用していれば、飛沫のしぶきによる周りの汚染を減らすことができるのです。 また、このコロナ以降、それまでは感染した人のみが着けていたマスクの意味合いが大きく変わることとなりました。コロナ前は「今咳をしている感染者が、周りに感染させないためにつける」とされていました。そのため、呼吸器症状が無い健康な人がマスクを着用する機会はほとんどありませんでした。 新型コロナウイルス感染症が広まり、コロナの陽性になったにもかかわらず、無症状の感染者が数多くいることがわかり、発症する前から飛沫感染を引き起こすことがわかってきました。このため、感染拡大を防ぐためには、症状のある人はもちろん、症状のない人や健康な人全員マスクの着用が必要という考え方に変化してきました。 これから空気が乾燥してくる季節のマスクは、夏場よりさらにウイルス対策に特化したマスクが必要とされます。マスクの種類も機能も、コロナ前よりも比べ物にならないくらい豊富になりましたが、秋冬の感染症が増える季節は、しっかりとフィルター機能がついていたり、ウィルスを通さないマスクを選ぶことが必要です。通気性がありながらしっかりしたフィルターもあるものならなお良いでしょう。
「マスク+手洗い」を基本にコロナ後の初めての冬を乗り越えましょう
これまで以上に気を付けて生活すれば、感染症予防対策として効果があるということがこのコロナ禍で私たちが学んだ事柄です。コロナ後初めての冬がやってきますが、必要以上に恐れすぎることなく、これまでと同様に気を付けながら生活していけば大丈夫ということもわかってきました。 ただ、冬場はコロナウイルス以外のウイルスも多く、罹患する人の数も夏に比べて増えてくるでしょう。その中でどうやって自分の身を守るかは、やはり「手洗いとマスク」を徹底し、感染症対策に必要な手立てはいつも頭に置いてくることが大切です。 夏場には夏の暑さにも耐えられるマスクを、冬場は冬の乾燥の中でウィルスに感染しないためのマスクを。私たちが季節によってマスクの選び方も変え、自分の身を守るということを考える時期に来ているのです。 ]]>
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