保護猫の里親になるということ。犬と保護猫のいる暮らし(その3)

7歳の犬のいる我が家に、7月に1匹、8月にも1匹子猫がやってきて数ヶ月経ちました。今では6ヶ月と7ヶ月になった2匹。最初の頃のお互いに顔をあわせるだけで一触即発だった犬VS猫、猫VS猫の状態も過ぎ
(このあたりのことは第2回に詳しく書いてあるので興味のある方はご覧ください→犬のいる我が家に猫がもう1匹やってきた!)現在は3匹がそれぞれマイペースに過ごせるようになりました。

子猫は毎日見るもの全てが新しいことばかりで、何にでも興味津々です。犬がいる我が家なので、成長した大人の猫よりも新しい環境に柔軟に慣れてくれる子猫を引き取ることができたのは、正解だったなと思います。

保護猫を迎えるという選択をしたわけですが、ここでもう一度保護猫の里親になるということを書いてみたいと思います。

猫が爆発的に増えてしまうわけ

猫ブームと言われている昨今ですが、ネットなどで検索すると可愛い子猫の画像と一緒に保護猫のサイトがたくさん現れます。犬と違ってなぜ猫はこんなにもたくさんの里親募集があるのでしょうか。

それは猫の繁殖期が年2回、2月〜4月上旬、6月〜8月頃にあることいえます。猫の妊娠期間はだいたい2ヶ月くらいです。このことから考えると、猫の出産ピークが1年の中で4〜6月頃と8~10月頃となり、季節では春頃と秋頃ということになります。

犬も同じように繁殖期がありますが、現在ではほとんどいなくなった野良犬とは異なり、猫は今でもかなりの数の外で暮らす猫(野良猫)が存在します。避妊や去勢をしていない猫が年2回の発情期や出産期を経て、子猫が増えていくのです。

猫の保護団体とは

1匹目の猫は推定2ヶ月ほどの時に、外で鳴いているのを通りかかった友人が発見し、その後我が家にやってきました。2匹目は推定3ヶ月の時に猫の保護団体を通じて我が家にやってきました。

猫を迎えようと考えた頃から、数カ所の保護団体に見学に行ったりしていたので、保護猫の話は色々と聞いていたのですが、今回は我が家の子猫を引き取ることになった保護団体のことをご紹介します。

保護団体の方々は「ただ猫を救いたい」という一念で今も保健所や動物愛護センターと連絡を取り合い、日夜保護活動をされています。

特に春と秋の出産シーズン後は、今度はセンターが子猫の収容シーズンになるということで、連日のように「子猫を保護したのだが引き取れませんか」というような連絡が入るそうです。

保護団体の方のところに届くたくさんの猫の保護情報の中から、子猫(引き取り手が決まりやすい)、大人の猫でも人馴れしている猫、病気を持っていない猫などを選別して引き取ります。本当はすべての猫を救ってあげたい。でも受け入れ先には限界があり、苦肉の策だそうです。それほど猫の収容頭数は多いのですね。

引き取られた猫の行く先は

センターから引き出された猫は、手分けしてミルクを与える「ミルクボランティア」、離乳食期ごろから一般家庭で育てる「預かりボランティア」などに分かれて引き取られます。

一般家庭のボランティアと言っても可愛い子猫をただ預かるだけではなく、まずはその子猫を病院に連れて行き、ワクチンやノミ取り薬の投与、病気が見つかったら治るまでその子に寄り添うことが必要となるボランティアです。ただ子猫を育ててみたいから。子猫が可愛いからでは務まらないボランティアだなと思いました。

人馴れした猫はいよいよシェルターへ

ボランティアの方々の手を経て、ある程度成長した子猫は「シェルター」と呼ばれる保護猫が集まっている施設に移され、そこで大勢の猫と共に生活し、適性を見て里親募集を開始します。

シェルターのスタッフがその子猫の持っている性格を1匹1匹把握し、里親募集に応募してきた家庭とマッチするかを判断します。

たとえば兄弟や姉妹で保護された2匹は、1匹だけ譲渡希望と言われても断られることも。それは子猫のその先の幸せを考えた上で、兄弟姉妹を離すのは難しいと判断するからだそうです。

その他、小さな子どもの居る家庭は子猫と子どもの世話を親が両立できるかしっかり見極めたり、単身者の応募の場合は、長い留守番時間を過ごさせていないかどうか、先住動物が居る場合(我が家のような家ですね)は、先にいた動物と猫の相性が上手くいっているかどうかなどを、必ず納得いくまで確認するそうです。

それは全てもう二度と不幸な目に合わせたくないから。その一点だと話されていました。

1匹で保護されたり、大勢兄弟姉妹がいる猫で、シェルターの他の猫とも仲良くすることができ、スタッフが大丈夫だと判断した場合は、1匹の譲渡も可能だそうです。

引き取る側はどうしてもその猫の顔や可愛さなどから判断してしまいがちですが、保護団体を通して引き取ると、性格や今後どうしたら幸せになれるのかを考えて相談にのってくれるので、初めて猫を飼う人は自分と相性の良い保護団体を見つけ、相談するところから始めてみると良いでしょう。

去勢、避妊手術が里親になるための譲渡誓約書の条件

2週間のトライアル期間を経て、保護団体から譲渡された我が家の猫ですが、正式に譲渡をする日には、保護団体の人が面談に訪れます。

子猫同士、犬と猫の相性や普段の様子を見て、これなら大丈夫と判断してやっと我が家の子として譲渡が決定します。そしてこれまでかかった医療費や、今後の活動費に当てるための費用として¥20,000(保護団体によって金額などは変わります)を支払います。

さらに譲渡誓約書を交わします。この中に「譲り受けた猫が未不妊の場合、必ず避妊・去勢手術を実施すること」と書かれてあります。去勢・避妊は可哀想という人もいますが、室内で飼われることが大半になった猫の場合、子猫を望まないならば、避妊・去勢をすることで生殖器系の病気は無くなるし、マーキングという縄張り行動もなくなり、猫自身が落ち着いて暮らせるそうです。

増えすぎて捨てられて保護された子猫たちなので、これ以上増やさないためにも、避妊・去勢手術は里親になる人間の義務ではないかなと感じました。

ブームではなく、保護活動は終わりはない

猫を飼うことは簡単なことではありません。犬のように散歩がいらないから、外に出ないから病院に行くことも少ないし、お留守番も長時間できるから。そう考えて猫を飼うのは危険です。

実際に一緒に暮らしてみると、病気になる時もあれば、長時間の留守番ばかりだと表情も無くなり近寄ってこなくなります。毎日接して愛情をかけることの大切さがわかります。

不幸な猫たちが少しでも減るように、日夜活動されている保護団体の方には頭が下がる思いですが、私たちももし興味があるなら、そんな保護団体のところから猫を迎えるという選択肢を増やしてみても良いのでは?と思いました。

【今回お話を伺った猫の保護団体 : ねこ蔵ホステル

 

この記事をかいた人

新型コロナウイルスの影響で、マスクをする人がとても多くなっています。もちろんマスクは有効ですが、まずは手洗いとうがいの徹底が重要だと改めて感じています。あとは喉を潤わせておくことも忘れてはならないことの1つ。私はこの時期、いつも以上にお茶を飲んでいます。

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