春休みに入ってすぐ、息子と一緒にオーストラリア旅行に行ってきました。思春期真っ只中の、母親と一緒に歩くのさえ嫌がるような息子との8日間。
途中で大げんかしてしまうのでは?ついつい口うるさくいろいろ指図して嫌がられるのでは?など出発前はどうなることかと心配しました。
実際に行ってみるととても良い経験をした8日間だったように思えます。旅を通して見えてきたこと、改めて日本は住みやすい国なのだなと再確認できました。
そんな8日間に思ったことを書き記してみたいと思います。
日本はアナウンスや表示にとても工夫されていた国だった
羽田空港国際線ロビーです。2020年の東京オリンピックを控えて、空港や電車の駅などの表示がとても綺麗になっているのを感じました。
案内のサインがとても見やすく、たとえ日本語がわからなくても目に付きやすいマークをつけられており、初めて日本を訪れる外国人にもわかりやすい印象を持ちました。
こちらはオーストラリアのシドニー空港国内線ロビー。アナウンスは搭乗口付近しか聞こえません。掲示板も小さく、うっかりしていると見過ごしてしまいそうです。
しかも日本人と違ってみなさんとても声が大きくよく通ります。その騒音の中に身を置いているとアナウンスは全く聞き取れません。
日本人が多かったので、周りの人が移動したら自分たちも行動を開始するようにしていました。
海外では空港も電車の駅も日本のように親切ではありません。その分個人で責任を持って行動するようにしなければならず、アナウンスや人の動き、周りの状況に敏感になります。
日本でよく見かける、待ち時間に仮眠を取っている人などは全く見られませんでした。
年齢を重ねた女性でも働いている人が多かったオーストラリア
全くの個人旅行で行ったため、オーストラリアに到着すると自力でホテルに向かいました。
初めての街は美しく、見どころ満載でしたが、何せ母親と一緒に歩くのを嫌がる年齢の男子と一緒ではショッピングもままなりません。
近場をうろうろと歩き、夜は食事をテイクアウトしてホテルで食べる日々が続きました。
ここで感じたのは、オーストラリアでは若い女性よりある程度年を重ねた女性の店員がとても多いということ。
例えば空港のチェックインカウンターやホテルのレセプション、フードコートの店員さんも若い女性よりも年配の女性が多いようです。
それだけ働き続けるのが可能な国なのだなと思いました。
日本語ツアーでオーストラリアを知る
1日くらいは遠出をしようと、シドニーからバスで2時間ほどのところにある、世界遺産にも登録されている「ブルーマウンテンズ国立公園」に行きました。
日本人のための日本語のツアーへ参加です。ここでガイドさんが話したことがとても興味深く、早朝から夕方までのツアーの間、途切れない話術で話し続けるガイドさんの凄さを目の当たりにしたのでした。
オーストラリアの歴史、生活、物価、不動産、車の購入など面白おかしく語り続けるガイドさんに、バスの中で眠るのも忘れて聞き入ってしまいました。
無口な息子もさすがに「あのガイドさんすごかったね。」というほど。痒いところに手が届き過ぎるくらいのサービスは日本ならではと思いました。
ツアーが終わり、街を散策するとまたそこは個人主義の海外。
日本のように年齢の垣根がないので、若者と年配の人が職場でとても親しげに話していたり、公園のベンチでスーツを着てネクタイを締めたビジネスマンが、ハンバーガーを頬張りながらのんびり過ごしていたり、どんな場所でも黙々とランニングに励む人がいたり。全てにおいて自由なのだという雰囲気を感じたのでした。
想像を絶する世界に感動!
旅の後半はオーストラリアのちょうど中央あたりに位置するエアーズロックリゾートに移動しました。
ここはエアーズロック(先住民族の呼び名はウルル)と呼ばれる巨大な一枚岩のある場所です。
赤土の大地で先住民族の聖地でもあることから、写真撮影や立ち入りが禁止されている区域も多く、植物なども触ったり、取ったりすることはできません。
シドニーとはまるで別世界の景色に、オーストラリアの広さを感じたのでした。
世界遺産にもなっている国立公園の中では、岩に描かれた壁画を見たり、恐竜でも出てきそうな景色の中で地層を見たり、乾燥地帯に生えている植物の観察などとても興味深いものでした。
この辺りは3月でも気温は30℃を軽く超え、非常に乾燥した砂漠地域です。
水分が極端に少なく乾燥しているために、人間の汗に水分を求めて肌に群がってくるハエをネットで避けながら、黙々と歩いていました(表題の写真)。
日本では経験の無い出来事に文句ばかりの息子でしたが、それも旅の醍醐味と言い聞かせました。
心震える感動。満天の星空。
ウルルの一枚岩が夕日に照らされてから日が沈むまでを見つめるサンセットツアーに参加しました。
シャンパンを飲みながらその移り変わりを楽しむツアーは、インスタ映えすることでも有名で、私もお約束通り撮ってみました。
日が沈むと街灯が全く無いため、完全に暗くなります。灯りが無いはずなのに、意外と周りがよく見える。それは月明かりがあるからだそうです。
月の光がこんなに明るく感じられる経験はしたことがありませんでした。
そして見上げた星空。誰もが必ず「うわーーー!」と感嘆の声をあげます。プラネタリウムで見たそのままの空が広がっていました。
カメラの技術が無く、この星空を撮ることが出来なかったことが今回の一番残念だったことです。
南半球なので星の見え方も日本とは違い、無数に輝く星座を見られたのは素晴らしい経験でした。この星空を息子が一番喜んで感動してくれたことに、連れて来て良かったと心から思いました。
知らない経験をする、心が震える経験をする、それが旅。
8日間の旅でしたが、足を伸ばすこともままならない飛行機の中で8時間。
その先に広がっていたのは、ユーカリの森の中を歩いて香りに癒されたり、見たことも無い赤土の大地の景色に心が震える体験でした。
帰国すると親切なアナウンスや丁寧な掲示板に、日本がどんなにおもてなしに心を配る便利なの国なのか、そのありがたみがよくわかりました。
一方、仕事中も談笑したり、平日の昼間なのに老若男女問わずカフェで楽しそうにお茶を飲んでいるオーストラリアの人々の姿には、日本には無い自由な雰囲気を感じました。旅をしたからこそ見えてくるものは沢山あります。
帰宅して息子に「今回の旅どうだった?」と聞いてみました。「日本がやっぱり便利だけど、たまには旅も楽しいね。全体でみると満足だったよ。」と言ってくれました。
充電をたっぷりし、春からの新生活もいっそう頑張れそうです。
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