お口のトラブルとストレスの関係

皆さん、こんにちは。
Dr.Mariです。

皆さんはこんな経験ありませんか?

「大事な発表やイベントの前になると緊張して、口の中が乾く。」
「仕事が忙しくて疲れがたまってくると歯ぐきが腫れたり、口臭が気になってくる」
「ちゃんと歯みがきしているのに、むし歯ができちゃった。」
など。

むし歯や歯周病、口臭などのお口のトラブルはお口の中にいる菌が1番の原因だと考えている方が多いようです。

しかし、実は「ストレス」がお口のトラブルに深く関係していることをご存知でしたか?

お口の症状とストレスがどう関係しているのか。
今日はその事についてお話をしていこうとおもいます。

治療中に感じた「お口の状態と原因」

私は歯科医師になり、治療を行っていくうちにある事に気がつきました。

それは 「人によって歯の固さが違うこと」

「歯ぐきの状態や口臭が体調と連動していること」
などです。

お口の中はその方の健康状態やストレス状態を教えてくれるのです。

人の歯の1番外側にあるエナメル質という部分は身体の中で最も固い組織で、ダイヤモンドくらいの固さがあります。

ですので歯を削る時にはダイヤモンドをくっつけたバーを高速回転させて削ります。

そんな固いはずの歯が人によっては、もろく感じることがありました。

それは、忙しい営業マンだったり、いつも緊張している女性だったり、お子さんがいて忙しいママさんだったり。

職業や置かれている環境は違っても、どの方も共通していたことが
「ストレスを多く感じていたこと」でした。

過剰なストレスは色々な病気の原因となります。
それはお口の中のトラブルも例外ではありません。

むし歯、歯周病、口臭、顎関節症など病気や症状はいくつかの要因が重なった時に発症します。

どんな病気の原因にも「ストレス」が入っていますよね。

ではなぜ過剰なストレスがお口の状態を悪化させるのでしょう?

それはまず、第一に唾液の量が減ったり、質が変わったりすることに関係があります。

4つの成分が最大限に働く口内環境づくり

唾液は昔から「つばをつけておけば治るよ」と言われていたようにお口や身体を守る上で大切な働きをしています。

唾液は99.5%が水分でできています。

そして、0.05%に以下のような大切な働きを持つ成分が含まれているのです。

  • 私達を守ってくれる免疫物質のIgA
  • 消化を助けてくれるアミラーゼ
  • 菌をやっつけてくれるリゾチームやラクトフェリン
  • アンチエイジングに効果のあるホルモンであるパロチン

そして、唾液がたくさん出ることでお口の中が潤った状態となり炎症が起きにくい環境をつくります。

また、味を感じたり、喉を潤してくれていたり、歯の※再石灰化を助けてくれたりしています。
さらには病気を治す力があると言う説もあるほどなのです。

※再石灰化とは歯を健康な状態に戻す現象で、唾液の成分であるカルシウムやリンでエナメル質の結晶を新しく形成し修復する。

そんな大切な働きをしてくれている唾液ですが、過剰なストレスがかかると量が減ってしまいます。

緊張するとお口の中がカラカラになった経験、ありませんか?
まさにその状態です。

緊張しがちな方は唾液の量がいつも少なく、お口の中が乾いている状態が続いています。
唾液はリラックスしている状態でたくさん出るのです。

「過剰なストレスをコントロールすること」

このことはお口のトラブルだけでなく、身体全体を守ることにもつながります。

皆さんも1日に1回はリラックスする時間をとってくださいね。

この記事をかいた人

「本来の自分の力を発揮して生きる人を創出し、人と社会と自然が調和した未来を創造する」という理念の元に、新しい形の歯科クリニックの経営、現代人には必須のストレスコントロールレッスン、女性のためのシンプル心理学セミナー、医療者のためのコミュニケーション研修、予防医学の啓蒙活動など様々な活動を行う。広島大学歯学部卒業後、歯科医師として診療を行うかたわら心理学(アドラー心理学、カウンセリング技法、交流分析、発達心理学、催眠療法など)、東洋哲学、分子整合栄養療法、リンパセラピーなどを学ぶ。心と身体の両方からアプローチすることで、病気の治療だけでなく、ストレスの軽減など現状をプラスの方向に変化させていく診療スタイルをとる。プライベートでは一児の母、家族で旅行に行くのが何よりも楽しみなアラフォー女性。

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「本来の自分の力を発揮して生きる人を創出し、人と社会と自然が調和した未来を創造する」という理念の元に、新しい形の歯科クリニックの経営、現代人には必須のストレスコントロールレッスン、女性のためのシンプル心理学セミナー、医療者のためのコミュニケーション研修、予防医学の啓蒙活動など様々な活動を行う。広島大学歯学部卒業後、歯科医師として診療を行うかたわら心理学(アドラー心理学、カウンセリング技法、交流分析、発達心理学、催眠療法など)、東洋哲学、分子整合栄養療法、リンパセラピーなどを学ぶ。心と身体の両方からアプローチすることで、病気の治療だけでなく、ストレスの軽減など現状をプラスの方向に変化させていく診療スタイルをとる。プライベートでは一児の母、家族で旅行に行くのが何よりも楽しみなアラフォー女性。