3連休が続く9月のある日。兼ねてから行ってみたいと思っていた、福岡県護国神社の境内で行なわれている「九州 蚤の市」に出かけてきました。通りがかりに人が大勢集まっている様子は横目で眺めていたものの、実際に隅々まで見て回るのはこれが初めてです。
蚤の市の様子や、購入したものなどをご紹介します。
蚤の市の名前の由来は「蚤のように人から人へと渡っていく」
蚤の市という言葉よりも今ではフリーマーケット(フリマ)と呼ばれる方が馴染みのあるかもしれませんね。フリーとは英語で虫の蚤(のみ)のことを表し、freeではなくfleaと表記します。
なぜ蚤が市場の語源になっているのかというと、元々fleaという単語は、物と一緒に使う時に「見すぼらしい」「汚れた」という意味になるそうで、人が使っていた中古品を持ち寄って市場のようにして売るという意味で「flea market」となったそうです。
別の由来は、蚤が飛び跳ねながらひとつの場所から次の場所へ移動していくように、ひとつの物が、人から人へと渡っていく様子を蚤にかけて名付けられたとも言われています。
宝の山があちらこちらに
テーブルいっぱいに並んだのは、すべてブローチ。ここはブローチやアクセサリーの専門店でした。ここまで数の多いブローチを一度に見る機会はなかなかなく、人だかりができていました。
値段はお手頃価格のものから、買うのにちょっと勇気がいるものまで。ひとつとして同じものが売られていないので、その中から自分の心に引っかかるお宝を探し出すのも、蚤の市の楽しさではないでしょうか。
上段の写真でもご紹介しましたが、蚤の市といえば、食器。入り口付近には、食器専門の店がずらりと並んでいました。
普段使いに良さそうなカップやグラス。大判のお皿もたくさんです。好みの皿が売られているショップに出かけて行くのとは違い、蚤の市では見た瞬間にピンとくるものに出会う楽しさがあります。
いつもは手にしないような食器も、ディスプレイされているのを見ると引き寄せられるように手に取ってみたり。食器売り場はいくら見ても飽きることはありません。
ハンドメイドグッズの多さもフリマならでは
アクセサリーパーツを扱うお店もありました。細かく仕切られたボックスの中に入っている部品の数々。お気に入りのパーツを選んで自分でアクセサリーを作り上げることができます。手作り好きな人には、購買意欲がかき立てられるお店ですね。ここも人だかりが出来ていました。
他にもハンドメイドのキャンドルや、ニット商品、焼き菓子、アクセサリーなど手作りの品がたくさん販売されており、改めて蚤の市はハンドメイドの出店が多いことが感じられました。
今回の蚤の市では、小さな子どもを連れたファミリー層に加えて、若い女性の姿がとても目立ちました。これが蚤の市がフリマと呼ばれ、若い世代を中心に人気になっている証拠なのですね。
植物を扱う店が多かったのもの居心地の良さに
大きな神社の境内の中は、森のようになっており、普段からそこだけ空気が違うと感じるほど心地よい空間です。
蚤の市ではたくさんの園芸店が出店していました。これまで行ったことのある蚤の市の中では、これほどグリーンを扱う店が多いのは見たことがありません。
珍しい観葉植物やエアプランツ(土や根を必要とせず、葉から水分を吸収して育つ植物)から、多肉植物専門店、切り花はもちろん、今はやりのスワッグ(ドイツ語でドライフラワーで作られた壁飾りの意味)も色鮮やかに束ねて飾られていました。
食事処はいわゆる屋台ではなく、ほとんどが移動販売車で出店
蚤の市が賑わう理由のひとつに、食事が美味しいお店が多いことがあります。お祭りの時に見る屋台やお祭り独特のメニューは全く無く、代わりに移動販売車がずらりと並んだコーナーがあり、温かい料理をその場で作って食べさせてくれます。
料理の種類も国籍もさまざま。初めて見る料理もたくさんありました。出来立てはやはり美味しいですよね。どのお店の前にも長い行列ができていました。
ドライフルーツやナッツ類を山積みにして売っているお店。健康志向の高まりとともに、女性に人気のお店でした。試食してみたみかんは、甘さがしっかり詰まっていておいしかったです!
お店ごとに工夫が見られるショップカードを集めるのも楽しい
買い物をすると、ほとんどのお店でショップカード(名刺)を同封してくれます。蚤の市だけの出店だけでなく、実店舗の紹介や、インターネットショップでの購入方法など。どれもデザインが素敵で、カードを集めるだけでも楽しめそうと思いました。
今回の掘り出し物は「大皿と丸椅子」
入り口付近の食器売り場でブルーとホワイトの皿が集められているコーナーがありました。そこで1枚1枚手に取りひっくり返し、傷の具合や表面の滑らかさなどをじっくり見た結果、この皿を買うことにしました。
鯉の図柄が可愛らしく、その周りに施された模様も細かいものです。
ブルーとホワイトの皿を置くだけで、テーブルの上が爽やかになります。和食でも洋食でも引き立ててくれる色味と大きさに一目惚れして購入しました。次回は是非、刺身を並べてみたいです。
そしてテーブルの右手に見える丸い椅子。
一旦帰りかけたものの、どうしても諦めきれず、Uターンして買いに戻ったのがこの丸椅子です。昔の学校で使われていたようなこの佇まい。
聞けば昭和30年代頃のものだとか。どうりで懐かしい気持ちがしたわけです。お店の人曰く、とても状態の良い丸椅子なので、これからも長く使えますよとのこと。
ピンときた品が、お店の人からもオススメの品で、なんだかとても嬉しくなりました。特に家具などは、お店の人から話を聞くのも興味深く、楽しい時間です。
我が家の猫が早速座り心地を試していました。
人から人へと受け継がれるモノたち
初めてゆっくりと見て回った蚤の市は、大満足の結果となりました。人が使い、要らなくなった品物を、それを必要としている人が、また引き取って大切に使う。
そんな繰り返しで使い続けられるモノたち。使い捨て文化と言われ、たくさんのものが溢れる中、こうやって品物が人から人へと巡っていく仕組みは、これからの私たちに必要なのではないかなと思いました。蚤の市人気はまだまだ広がっていきそうです!
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