冷たいものを食べたり飲んだりした時にズキっとしみる、また冷たいものだけでなく熱いものがしみる時もあり、痛みを感じることがある。
虫歯かなと歯ブラシや歯間ブラシなどで必死に磨いてみると、そこでもズキッとする痛みが。慌てて歯医者に行くと「虫歯ではなく知覚過敏です」と診断が下されました。
知覚過敏とは一体どんな症状なのでしょうか。特にこれから冬にかけての季節は寒い外から帰ってきて、熱々の飲み物を美味しくいただきたいものです。
知覚過敏がこれ以上ひどくならないように覚えておきたい事柄をまとめてみました。
知覚過敏とは
歯は、エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で作られています。
歯の一番上の部分はエナメル質で、これらはカルシウムやリン酸が主成分で体の中で一番硬い部分と言われています。このエナメル質には神経が無いため、痛みを感じることはありません。エナメル質はその下にある象牙質によって支えられ、この象牙質には神経が通っているため、痛みを感じるのです。
知覚過敏は歯の周りを覆っている歯肉が、若く健康なうちはしっかり支えているのですが、なんらかの原因で歯肉が痩せたり、誤った歯磨きの仕方などでエナメル質が減って傷ついたりした時に、神経に触れて刺激を強く感じるのです。
知覚過敏になる原因は何なのでしょうか
知覚過敏は、象牙質にある神経に刺激が加わることにより痛みを感じることを言います。加齢により歯茎が痩せてくるために起こる事は知られていますが、若年層でも以下の事柄で当てはまるものがあれば、知覚過敏になる可能性が考えられます。
・歯肉が年齢とともに下がり、歯の根元や象牙質が露出するため
年を重ねるごとに歯肉の弾力性がなくなり下がってくることがあります。
歯間ブラシや糸ようじを併用し、強すぎない歯磨きを行えば、引き締まった歯茎もまた取り戻せるかもしれません。
・歯磨きのしすぎによってエナメル質がすり減ったため
長く磨けば磨くほど歯は綺麗になると思っていませんか?強い刺激を長いこと加え続けるとエナメル質が傷んでしまいます。
鉛筆を優しく持つようにして、一本の歯を10~20回程度磨けば十分です。すべての歯を磨くのは、時間にして3~5分で良いのではないでしょうか。
・噛み締め、歯ぎしり、いつも同じ方向を向いて寝るなどの刺激が加わったため
いつも無意識に歯を噛みしめている人は、口を閉じた状態の時に軽く舌ベラを上あごにつけてみましょう。歯と歯の間に隙間ができ、少し力が抜けます。
またいつも同じ向きを向いて寝ていると歯茎も片方だけに力がかかり続けることになるので、意識してバランスをとるようにしましょう。
・酸性の飲み物(炭酸飲料)の摂取により歯が溶けて象牙質が露出したため
炭酸飲料は砂糖も大量に含まれているため、飲み続けると酸の作用により歯のエナメル質が溶けてしまいます。そのため象牙質がむき出しになり知覚過敏を引き起こしてしまいます。
炭酸飲料を飲んだら歯を磨きましょう。難しい場合は水やお茶などで歯の表面についた酸性の水分を流すようにしましょう。
知覚過敏と診断されたらどのようなことをしたらいいのでしょうか
歯科ではまず象牙質の露出している知覚過敏の部分に薬剤を添付したり、歯の表面を膜のように覆って、痛みを感じなくさせます。この薬の添付により歯への刺激や痛みはかなり良くなることでしょう。
その後はフッ素入りのコーティングジェルなどを歯磨きごとに使用し、歯の表面を歯磨き剤によって再石灰化させ、露出している象牙質をしっかりと覆うようにしていきます。
また、プラークと呼ばれる歯垢は、細菌や食べ物の残りカスがたまったものです。酸性で歯を溶かしてしまう働きがあるので、歯磨きごとに歯間ブラシや糸ようじを使ってこのプラークを取り除くこともとても有効です。
冷たすぎる水、熱すぎる飲み物も瞬間的に知覚過敏を感じやすいものです。水の温度は常温程度に冷まして飲んだり、温かい飲み物は冷めるまで時間をおくのも良いでしょう。
まとめ
知覚過敏になってしまっても、適切な治療と歯磨きで改善していくことは可能です。
段々と外気の温度が冷た下がってくるこれからの季節には、寒い外から帰ってきて温かい飲み物を飲むとことも多いでしょう。きちんとお手入れすれば、今より状態の良い歯茎を取り戻し、さらなる知覚過敏を未然に防ぐこともできます。
歯や歯茎の痛みを感じたらまずは歯科を受診しましょう。適切な治療を受けた後は、食後に毎回歯磨きをコツコツと続けていきましょう。
なんでも食べられる健康な歯と歯茎は何ものにも変えがたい喜びをもたらしてくれますよ。
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