奥行きのある写真を目指して。フォトスタイリングレッスンを受けてきました。

このコラムに載せる写真、インスタグラムで投稿する写真、現在私の生活はカメラとは切っても切り離せなくなっています。毎日たくさんの素敵な写真が目に入り、それらを「素敵だな」と見つめる日々。いつか自分もそんな素敵な写真を撮れるはずと思っていましたが、なかなかうまくいきません。ここはプロの教えを請おうと思い、先日フォトスタイリングレッスンに参加してきました。

フォトスタイリングとは?

SNSの流行により、写真の見た目が以前よりずっと大きな力を持つようになりました。例えば発信したい「もの」や「ことがら」ある場合、それを表現する写真の良し悪しによって、見る人へのアピール力も大きく変わってきます。

「インスタ映え」という言葉も流行ったように、現在私たちは毎日膨大な数の写真を見ることができます。その中で読者の目をひくには、ただ写真を撮るだけでなく、どれだけ綺麗に、どれだけお洒落な写真が撮れるかどうかが大切なポイントになっています。

フォトスタイリングとは、撮影によってカメラに切り取られる風景を、意識して整えることを言います。これにより写真技術にプラスして、アピールしたいものをより魅力的に見せることができるのです。

素敵な写真とそうでない写真の違いは「奥行き」

上の写真はプロが撮った写真です。美味しい料理をスマホで撮影。そんな物語が透けて見えます。

この写真もプロの撮影した写真。ピザをみんなで食べようとしている写真です。小さな子どもの手や、トマトがさりげなく添えられ、今にもピザの美味しい匂いがしてきそうな写真です。

一方、こちらは私が撮ったある日の朝ごはん。それらしく並べてはいるものの、動きが感じられません。味噌汁も湯気が写っていないため、冷めた感じ。なんだか面白みのない写真になっています。

こちらは自分としてはいろいろ考えて撮ったつもりなのに、何か物足りない写真です。テーブルの上にランチョンマットを敷いただけの写真。何か足りない。それはこの写真に奥行きがないからなのです。上の2つの写真を見ると物語が目に浮かぶようなのに、自分の写真には動きが感じられません。ここが私がフォトスタイリングを学びたいと思った動機なのでした。

フォトレッスンではオートで撮影しない

今回レッスンに伺ったのはこちら

フォトモナカのプライベートフォトレッスン

ライターとして写真の向上を目指しているという話をした上で、奥行きのある、動きのある写真を撮るにはどうしたらいいのかということを教えていただきました。まず最初に言われたのは、カメラのオート機能を使わずに撮影するということ。一眼レフミラーレスカメラを使っていましたが、全てはカメラまかせ。たまにうまく撮れたら良いけれど、それはほとんどまぐれというか感覚頼りの私の写真を、きちんとカメラの機能を理解した上で撮るようにしましょうとアドバイスしてもらいました。

カメラの基本「F値」「ISO感度」「ホワイトバランス」を知る

まず、オート機能をやめて、カメラのモードを「絞り優先」または自分で設定を変えることができる「マニュアルモード」だけを使うようにしましょうと言われました。少しカメラを習ったことはあるものの、改めて「F値」「ISO感度」「ホワイトバランス」と言われても頭が混乱してしまいそうです。1つずつ詳しく見ていきましょう。

「F値」とはボケを調整する役割

カメラのレンズの中にあり、光を取り込む量を調整する穴のことを「絞り」と言います。この絞りを数値化したものがF値と呼ばれます。Fの数字はボケ具合の調整をするので、Fの数字が小さいほどボケが作れて、数字が大きいほど奥まで均等にピントが合うようになっています。スマホの写真では全てが均等に綺麗に写りますが、奥行きを出すにはボケが必要。ボケの部分があることで見せたい部分がくっきりと浮かび上がってくるのです。

同じものを撮ってみてもF値が小さいほどよくボケて、F値が大きいと全体的にピントが合うようになります。例えば、上の写真は、猫にピントを合わせたかったので、F値を小さく設定し、背景がうまくボケてくれることで猫が立体的に見えるようになりました。

「ISO感度」とは光を感じる度合い

室内で撮影する場合、暗くてカメラに必要な光が足りない時に使うのがISO感度という機能です。光の量が足りないで撮ると、シャッターもうまく切れず、撮った写真もブレたものになってしまいます。

■ISO500 

ISO500で撮った写真です。対象物にシャッターを切っているものの、光の量が足りずにブレてしまっていますね。

■ISO2000

ISO感度を2000にあげてみました。室内や夜など光の量が少なくて明るく撮れない時に、ISOの数字を大きくすると、シャッタースピードが速くなり、ぶれにくくなります。

ホワイトバランスとは

ホワイトバランスとは、色の調整機能のことです。光の状況によってカメラの認識できる色も異なるため、青っぽくしたいならマイナスに、赤っぽくしたいならプラスに調整することができます。

上の写真はちょっと白すぎるので、本来ならもう少しプラスにして撮った方が良いと思ったものです。

奥行きを作るにはその写真のシチュエーションをイメージする

レッスンでは、先生の用意した小物を使い、実際に写真を撮ってみます。あまり自分では選ばない可愛らしい食器やナプキン。何より、白い布を使ったテーブルセッティングにどのように撮ったらいいのか悩んでしまいました。

撮る前に画面を見ながら少しずつ小物を調整すること。その写真がどのようなイメージで撮られるのかを考えることが大切だと教わりました。上の写真ならば、読書をしながら食事をしているイメージ。こうして引いて撮ると散漫にものが置かれているように見えますが、先生のスマホ上の画面の中では、それぞれのアイテムがしっかりとまとまり、存在感を放っているのでした。

小物使いで奥行きを

先ほどの失敗例であげた写真と同じアングルですが、味噌汁から湯気がたっていて、それを覗いている猫が写っている。こうした動きがあると、途端に写真が生き生きとして見えてくるから不思議です。奥行きを出すために背景をぼかすためには、対象となるものより遠くに何か配置すると良いというのもわかりました(この場合は植物がボケていることで、食べ物が浮かび上がります)。

帰宅後自主練開始。なんとか納得のいく写真が撮れました

帰宅後は家でフォトスタイリングを復習してみます。カメラを絞り優先モードに変更し、F値、ISO感度、ホワイトバランスを決めて何度も写真を撮りました。奥に見える花がボケているので、手間のイチゴの皿が浮かび上がります。それだけでは寂しいので間にナプキンを挟み、動きを出してみました。

まだまだ修行は続きますが、フォトスタイリングは、写真の中に物語が見えるような一場面を作り出すこと。先生のアドバイスは

■身近にあるものを使い自分の好きなスタイルを決めてどんどん写真を撮ること
■テーマを決めたら、それに合わない小道具は使わないこと
■たくさんのスタイリングされた写真を見て、それがどのように作り込まれたかを考えること

これらをしっかり胸に刻み、さらにセンスを磨きたいなと思った体験でした。写真てやっぱり奥が深いけど楽しい!これからもこのコラムの写真がもっと魅力的になるように精進していこうと思っています。

 

 

 

 

この記事をかいた人

新型コロナウイルスの影響で、マスクをする人がとても多くなっています。もちろんマスクは有効ですが、まずは手洗いとうがいの徹底が重要だと改めて感じています。あとは喉を潤わせておくことも忘れてはならないことの1つ。私はこの時期、いつも以上にお茶を飲んでいます。

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