呼吸、感じてますか?
成人の安静時の呼吸数は1分間に12~16回なのだそう。でも呼吸なんて、ふだんは意識しないで生活していますよね。
ヨガのレッスンでは、「息を吸いながら・・・今度は息を吐きながら・・・」と、「呼吸に合わせて」「呼吸を止めずに」からだを動かすように促されます。
また、座って呼吸法だけの練習をすることもあります。
だから、レッスン中は否応なしに呼吸に意識を向けるようになります。
呼吸を遅く、深く。逆に、速く、細かく。鼻で吸って口で吐く。腹式か胸式か。いろいろなパターンの呼吸があります。また、呼吸をしているときのおなかや肋骨の動きなども観察したり、意識したりながら練習していきます。
そうこうするうちに、日常生活のなかでも自分の呼吸の変化に少し気づけるようになってきました。
「あれ、呼吸が速くなっている」と気づけるように
納期前でテンパッている。プレゼン前で緊張している。大切な人を失う。事故や災害に遭遇する。このように圧倒される経験をすると、ふだんより呼吸が浅く、速くなりますが、そのことには気づかず、頭のなかで「落ち着け」と自分に言い聞かせているうちに、かえってパニクってしまう。そんなことはありませんか。以前は私がそうでした。
でも、締め切り前で焦りまくっていたあるとき、「あ、呼吸が浅く短くなってる!」と呼吸の変化に気づきました。そこで、頭で「落ち着け」と言う代わりに、深呼吸をしてみたら、すーっと気持ちが落ち着き、リラックスして仕事を進められるようになりました。
「自分の呼吸の状態に気づく=自分の感情のありようをちょっと冷静に把握できる→呼吸をととのえる→こころがととのい、適切な行動がとれる」
これはヨガの練習を重ねていくうちに、ほんとうに少しずつですが、だんだんできるようになってきたことのような気がします。
ヨガの呼吸の世界
「深呼吸をすると落ち着く」経験は誰もがしたことがあると思います。
この呼吸コントロールの技術をさらに深めて体系化したものが、ヨガの呼吸法(調気法)「プラーナーヤーマ」といえるでしょう。「プラーナーヤーマ」にもいろいろあって、とっても奥が深~い世界。ポーズ(アーサナ)をとるヨガの練習よりもプラーナーヤーマの練習は上級者向けとされているほどです。
ヨガの達人になると、1分間の呼吸が1~4回になるとか。大きく深い、ゆっくりした呼吸ができるようになると、気持ちも安定し、無闇に怒ったり、落ち込んだりという心の乱れがなくなっていくというのもうなずけます。
素人がそこまでのレベルに達するのはたいへんですが、ヨガで少しずつ深い呼吸ができるようになって、こころ穏やかな生活が送れるようになったら素敵ですね。
参考:「呼吸数の基準値と測定方法とは」(根拠がわかる看護義塾)
『いつでもどこもでもヨーガな暮らし』赤根彰子 著(佼成出版社)
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