2020年の「ご縁」を求めて。豊満宮竈門(かまど)神社へ初詣

2020年のスタートの初詣は、毎年参拝している近所の神社ではなく、ちょっと足を伸ばして特別なお願いをしに行ってみようと思い立ちました。福岡でもおしゃれな神社として有名な「宝満宮竈門神社(ほうまんぐうかまどじんじゃ)」は、縁結びの神社として有名な神社です。縁結びだけでなく、訪れる人を魅了する、この神社の魅力をご紹介します。

福岡県太宰府市にある豊満宮竈門神社

福岡県太宰府市といえば、学問の神様で知られる「太宰府天満宮」が有名ですよね。この時期、受験シーズンとも重なって、初詣はいつも本当に大勢の人で賑わっています。今年は福岡地方は、三が日が穏やかな晴天だったこともあり、さらに参拝客の数は増えたことでしょう。その太宰府天満宮より北東に位置する宝満山の麓に「宝満宮竈門神社(ほうまんぐうかまどじんじゃ)」はあります。

主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)をお祀りしていることから、魂(玉)と魂を引き寄せる・引き合わせる(依)という御神徳を慕われ、古くから「縁結びの神」として広く信仰されてきました。「縁結び」とは、男女の「良縁」をはじめ、家族、友人、仕事、自然などとの良いご縁を結んでいただける神様として広く親しまれています。

また古くは、大宰府政庁の鬼門除けとして、また、大陸へ渡る人々がこれから進む航海(道)の安全と事業の成功を祈願したことから「方除け」、「厄除」の信仰も篤く、現代においても、新たな生活をはじめる方や、人生の節目を迎えた方々などが参拝に訪れ真摯な祈りが捧げられています。

豊満宮竈門神社HPより

この神社は、1350年以上の長い歴史をもつ神社で、方除け、厄除けの神様として信仰されてきました。男女の良縁だけでなく、良い友、良い師、良い仕事との出会いなど、さまざまな巡り会いや出会いの中で「縁」を結ぶ神様であることも人気の秘密のようです。若い女性だけでなく、シニアの登山グループから、少年野球のグループまで、たくさんの人が訪れていました。

竈門神社の人気の秘密は「お札お守り授与所」にあり

本殿の右側にあるおしゃれなガラス張りの建物。まるでカフェか何かと見紛うようなたたずまいですが、実はこれが竈門神社のお札・お守り授与所なのです。

この授与所は、神社の創建1350周年の節目を迎えるにあたって改築されました。建築は種村強さんという神社建築の専門家が、授与所のデザインはインテリアデザイナーとして世界的に有名な片山正通さんが手がけていることで知られています。

神社でお守りやお札をもらうための授与所ですが、ここまで現代的な雰囲気のある授与所は、なかなかありません。壁は淡いピンク色で、上部は白とピンクのストライプになっています。ストライプが短冊状で、色や大きさが違うのは、ここを訪れる参拝者一人一人の異なる願いが表現されているのだとか。乙女心をくすぐる可愛らしさもありながら、神社らしい品格も感じられる建物です。

天井や壁にあしらわれた模様は、竈門神社(かまどじんじゃ)のご神紋である「桜」がモチーフ。ピンクの壁には着色していない天然の大理石が使用されています。デザイナーの片山正通さんが「100年後のスタンダード」ということをコンセプトにして改築されたそうです。

ピンクという神社ではこれまで使われていなかった色であるのに関わらず、入った途端なんだか幸せな気分になる空間なのは、竈門神社にちなんで、建物が円形であることと、外の日の光がたっぷりと入る空間だからなのではと思いました。

中央には破魔矢やお守りが、まるでアクセサリーショップのようにずらりと並べられています。これだけたくさん並んでいると圧巻。選ぶのに迷ってしまいます。

さらに人気の秘密がこちらの絵馬。その年の干支の絵馬が描かれています。絵馬の図柄は、福岡在住の陶芸家・鹿児島睦さんによるもので、縁結びの神社にちなみ、今年の干支であるネズミのつがいが、向き合って描かれています。(画像は鹿児島睦さんのインスタグラムより)

今回は男女の縁結びの願いではなく、仕事の縁のお願いに来た私と娘(就活中)だったので、こちらの絵馬を選びました。竈門神社が鎮座する宝満山は、丸くこんもりとした姿から古くは竈門山(かまどやま)とも呼ばれていました。また御神紋にもなっている桜は、竈門神社を象徴する木だそう。確かに参道にはたくさんの桜の木が植えられていました。この絵馬に願い事を細かく書いてお願いしてきました。

静かで落ち着いた山の中にある小さな神社の伝統と、その神社にマッチするように設計されたお守り授与所。伝統とモダン建築の2つが見事に融合した神社は、なかなかないのではないでしょうか。良縁を求めるも良し、建築を見に訪れるも良し「竈門神社(かまどじんじゃ)」が人気の秘密を垣間見ることができました。

竈門神社を後にして、太宰府天満宮へと向かいます。太宰府天満宮はとても広く、竈門神社のある山の上から太宰府天満宮の本殿までは、徒歩では25〜30分はかかるだろうと計算していました。道に沿って歩いていると小道へ誘導する案内があり、行ってみるとレトロな雰囲気の漂うトンネルが。山を横断して造られたトンネルのおかげで、竈門神社から山歩きを楽しみながら太宰府天満宮へ10数分でたどり着くことができました。

途中にこれもレトロな茶店が。こういったう場所を歩きながら散策できるのは、山に囲まれた太宰府だからこそです。あちこちに記念の石碑や小さな神社があり、目を楽しませてくれます。茶店で食べた蕎麦も、冷えた体を温めてくれました。

程なく太宰府天満宮へと到着です。太鼓橋を渡ると本殿へと繋がっています。この日は週末とあって、さらにすごい人ごみとなっていました。

帰宅して豊満宮竈門神社で選んだお守りを見てみます。今回は仕事の縁を求めてお参りしたので、仕事結び守りを求めました。お守りに書かれていたのは【古来より「結び」は「産霊(むすび)」と表され、天地万物の生成を意味します。紐の色と結び目によって由来が異なり、日々の仕事や生業が成就することを祈願いたしております】とありました。

選んだ紫色の仕事守り。直感で紫色を選んだのですが「生業が成就することを祈念しています」とあります。これは大切にしなくては、ということで、出かける時はいつも持ち歩いています。

新年の澄んだ空気の中、さらに山の上ということで霊験あらたかな雰囲気に包まれた竈門神社には、観光客だけでなく、地元の人も立ち寄って熱心に祈りを捧げる神社なのでした。スタイリッシュな授与所はもちろんの事、伝統とモダンなデザインがお互いに違和感なく自然に溶け込み、温かな空間を作り上げているのも興味深かったです。また訪れたい神社のひとつとなりました。

 

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新型コロナウイルスの影響で、マスクをする人がとても多くなっています。もちろんマスクは有効ですが、まずは手洗いとうがいの徹底が重要だと改めて感じています。あとは喉を潤わせておくことも忘れてはならないことの1つ。私はこの時期、いつも以上にお茶を飲んでいます。

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