日本ワインと国産ワイン。日本オリジナルのワインはどっち?

真夏はキンキンに冷えたビールをグビグビっと飲むのが幸せなひと時でしたが、季節は冬へ。大量に飲んでしまい、体の冷えが気になるビールと違い、ワインは常温でも美味しく飲めるものもあり、体を必要以上に冷やしてしまう心配もありません。

特に最近は国産のワインも目にとまるようになってきました。ラベルが日本語で読みやすいことと、産地の気候や風景のイメージができるのが国産のワインの良さですね。

ところで、ショップで日本のワインを探してみると、そこには「日本ワイン」「国産ワイン」という表示がありました。実はこれら2つは全く異なったものだそうです。なぜ2種類のワインが存在するのか、その所以などを調べてみました。

「日本ワイン」と「国産ワイン」の違いは

名前を聞いただけでは、どちらも全く同じもののように思えるこの2種類は、実は大きな違いがあるのです。

「日本ワイン」国産のブドウ100%を使って、国内で製造されたワイン
「国産ワイン」海外から輸入したブドウや濃縮果汁を使用して、国内で製造されたワイン

呼び名だけを見ると、どちらも日本で生産されたブドウを使用しているのでは?と思われた方も多いのではないでしょうか?これらのワインがはっきりと区別されるようになったのは、最近のことだそうです。

ワインには明確なルール「ワイン法」がある

ワインは、ぶどうの品種、育つ土壌、栽培方法、気候、収穫時期、製造方法、貯蔵方法などがそれぞれに異なり、個々に特色を持って作られることで、独特の味を持つ個性が生まれます。ワインの個性を明確にし、品質を保っていくためには、生産地域を限定して規制していくことが必要となるのです。

世界には「ワイン法」というルールがあり、そのなかで品質の基準となっているのが「格付け」です。これは、産地それぞれの伝統を守り、個性や品質を受け継ぐという効果があり、偽物の製造を防止するというねらいもあります。生産地からアルコールの度数まで細かく規定が決められており、検査に合格したワインだけが格付けを名乗ることができるのです。

これまで、日本には「日本ワイン」を定義する明確なルールがありませんでした。「国産ワイン」として販売されるワインについてのは、企業ごとのルールで販売されていました。そのため、「日本ワイン」とされている商品の中にも、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を含んでいるものがありました。

国産ワインと日本ワインの2種類があっては、消費者がワインの違いを見分けるのが難しい。そこで、2015年10月に表示ルールが定められ、2018年10月からワイン法が施行されるようになったです。

以前は「日本の気候は、ワイン造りに適していない」「日本ワインは輸入ワインに比べて、風味が劣る」という考えがあり、「日本ワイン」の製造に積極的ではなかったそうです。それでも近年「日本ワイン」が徐々に認識されるようになり、日本のブドウの栽培技術やワインの醸造技術は以前に比べて格段に向上しました。

ただ、実際にワイン販売をしている店舗に行ってみても、「輸入ワイン」や「国産ワイン」と比べると、日本で作られた「日本ワイン」は圧倒的に消費量が少なく、希少価値が高いのが現状です。

日本ワインの代表的産地は

日本でのワインづくりの歴史はまだ浅く、本格的に始まったのは今から140年前の明治時代と言われています。「日本ワイン」の定義は、日本産のブドウが100%使用された、日本国内で製造されたワインのこと。日本ワインを支える日本有数のワインの産地をあげてみました。

北海道

1年を通して涼しい気候のため白ワインをつくるのに適した風土ですが、 近年は赤ワイン用の品種であるピノノワールも注目されています。気候が似ているドイツ系のブドウ品種が多く栽培されています。余市町や道央の空知町、富良野市、池田町などが主なワイン生産地です。

山形県

山形県は、東北地方にある冷涼なワインの産地です。寒暖の差が激しいため、果樹栽培が盛んな地として有名で、江戸時代から歴史あるブドウの産地であり、その品質も優れています。朝日町、高畠町などが産地です。

長野県

長野県は全体としても、年間を通して雨量が少なめで、ワイン用ぶどう栽培に適している土地です。また、昼夜の寒暖差が大きいことも、良質なワインづくりに向いています。塩尻地区で栽培されている赤ワイン用ブドウ品種「メルロー」や、北信の千曲川流域でつくられる白ワイン用ブドウ品種「シャルドネ」も注目されています。

山梨県

山梨県は日本のワイン生産発祥の地であり、約80社のワイナリーが集まって国内の約2割のワインを生産している日本最大のワインの産地です。甲府盆地の昼夜の寒暖差が激しい風土が、ブドウ栽培に非常に適した場所です。白ワイン用のブドウ品種である「甲州」を始め、勝沼地区を中心に、ワインを生産するワイナリーが集中しています。

たくさんの種類の中でも日本ワインを見つけたらぜひ飲んでみたい

日本の中でもこれだけたくさんのワインの産地があり、上でご紹介できなかった場所でも少しずつ日本産のブドウを使ってワイン造りが続けられているのですね。これまで値段につられて海外のワインを購入することも多かったのですが、日本のワインの歴史や生産者のことを知ると、俄然興味が湧いてきました。

来年の東京オリンピックを控え、世界各国から日本にやってくる人々には、日本ワインもきっと人気が出ることでしょう。100%日本のブドウを使って、日本で作られた「日本ワイン」この機会にぜひ日本ワインを見つけ、飲んでみたいものです。

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新型コロナウイルスの影響で、マスクをする人がとても多くなっています。もちろんマスクは有効ですが、まずは手洗いとうがいの徹底が重要だと改めて感じています。あとは喉を潤わせておくことも忘れてはならないことの1つ。私はこの時期、いつも以上にお茶を飲んでいます。

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