食欲の秋。いろいろな食材が美味しくなる季節。中でも芋類は、焼き芋、スイートポテト、ケーキなどお菓子にしても美味しく、女性なら嫌いな人はいないのではないか?というくらい人気の食材ですよね。
そんな芋類の中でも、スーパーの焼き芋コーナーなどでいい匂いをさせているあのお芋。焼き芋に使われることの多い「安納芋(あんのういも)」にスポットを当てて、今回はご紹介します。
安納芋とは
さつまいもより皮の色が黄色く、焼き芋にすると濃厚な甘さが魅力の安納芋ですが、その由来は第二次世界大戦後までさかのぼります。スマトラ島北部のセルダンという地域から持ち帰った1個の芋を、種子島の安納地域で栽培したのが安納芋の始まりだそう。鹿児島県はサツマイモの生産量日本一。その中でも種子島の安納芋は、しっとりとした食感と甘さが特徴で、全国的にも人気のさつまいもになっています。
サツマイモと安納芋。その違いや甘さの秘密は?
安納芋は別名「蜜芋」とも呼ばれており、一般的なサツマイモと比べて糖度がかなり高く、甘いのが特徴です。ふたつの芋を並べてみました。皮の部分はサツマイモの方が紫色が強く出ています。安納芋は皮が黄味がかった、オレンジ色をしていますね。半分に切ってみるとその差は歴然です。サツマイモは白っぽい断面に対して、安納芋はオレンジ色です。
サツマイモの甘さの理由は糖類にあり、ショ糖、ブドウ糖、果糖が含まれています。このように甘みを感じさせる成分が大量に入っていることが、サツマイモの甘い美味しさにつながっているのです。さらに加熱することによってデンプンが変化して麦芽糖になり、甘味が増します。焼き芋のように、じっくりと時間をかけて加熱することによって、さらに甘みが引き立つようになります。
サツマイモも安納芋も、5月中旬頃に苗を植え付け、10月頃の収穫というのは同じです。ただし、安納芋は栽培直後は甘みがついている状態ではないため食べるのに適していません。 収穫後少し寝かせて熟成(1か月〜2か月ほど)させてから出荷をするのが安納芋の特色と言われています。そのため、安納芋が市場に出回る時期は11月から2月にかけてということになるのです。この熟成期間があることで、安納芋はさつまいもよりもさらに甘味が増すのでしょう。
カロリーは?ダイエット中でも大丈夫?
安納芋のカロリーは100gあたり142kcalになっています。他のサツマイモで代表的なものとして「紅あずま」は100gで130kcal、 「鳴門金時」は100gで135kcalになっています。比べてみるとほとんど差がないことが分かります。また甘みの元である麦芽糖は、砂糖などに比べカロリーが少ないばかりか、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれるのです。
ご飯100gが168kcal、ショートケーキなどスイーツは1個350kcalは超えていると言われています。これを考えると、安納芋をダイエット中に食べるのに、それほど心配することはありません。 しかも安納芋には甘さだけではなく、食物繊維が大量に含まれているので便秘解消や腸内環境を整える働きも期待できますね。
最初は焼き芋が絶対おすすめ!
安納芋の食べ方は、焼き芋にするのが一番美味しいです!アルミホイルに包んでオーブンやオーブントースターでじっくり30〜40分焼くと、蜜がじわ~っとあふれ出し、そのままでスイートポテトのような甘い天然スイーツになります。これが180℃のオーブンで35分ほど焼いたものです。
中を割ってみると、安納芋の方がサツマイモより水分が多いのが見てわかりますね。低温でじっくりと焼いていくことによってデンプンが糖に変化して、さらに甘い味わいを得ることができるようになります
食感はねっとり、クリーミーで、スプーンですくって食べられるほどやわらかいです。ここで注意しておきたいのは、電子レンジでの調理は不向きだということです。焼き芋として食べる場合は、電子レンジにかけると、硬くなってしまうので気をつけてください。焼き芋にするならオーブンか、オーブントースター、グリルなどを使うのがオススメです。アウトドアで焼き芋が出来るならばそれももちろん美味しいことでしょう。
なぜ安納芋は希少なの?
安納芋の値段が普通のサツマイモより高めで、広く流通されていないのには理由があります。
安納芋は、普通のサツマイモと比べると水分量が多いため、皮が非常に薄くて剥がれやすのです。いったん皮が剥がれた状態になると傷みが進みやすくなり、商品として販売できなくなってしまうからです。
普通のサツマイモのように、収穫した後にカゴに放り込むようなことをすれば、すぐに皮が傷んでしまうため、収穫の際も手間がかかります。また、出荷時に安納芋に付いた土を落とす際にも、皮を傷つけないように注意しなければなりません。軍手や刷毛ブラシで注意深く土を落としていきます。
安納芋の値段が高くなるのはこの芋の皮が繊細で薄いために手間が掛かり、人件費がかさんでしまうこと、また種子島からの輸送にコストがかかることなども関係しています。しかし、これが逆に安納芋の希少性を生み、薄い皮を皮ごと食べられるおいしさにもつながっていると言えます。
美味しい安納芋を選ぶために
ここまで安納芋をご紹介してきましたが、その安納芋を今年も健康館で販売中です。
収穫して一定の温度・湿度管理の下で数カ月熟成させたものは甘味が増し、本当に美味しいです!特に種子島産の貯蔵芋である安納芋は、間違いなしです。収穫から少し時間のたった11月頃から、年明け(越冬)、春先くらいまでが美味しいので、ぜひ一度ご賞味ください。子どもからお年寄りまで、じっくり加熱した安納芋の焼き芋の美味しさには、感動すること間違いなしです。
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